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Special Interview

TIBHARTIBHAR

卓球界のレジェンド、ブラディミール・サムソノフ(Vladimir Samsonov)選手 スペシャルインタビュー

(2019.07)
HYBRID K1J元世界ランキング1位、トッププレーヤーとして20年以上経った現在も活躍し続けている『ブラディミール・サムソノフ選手』
1976年4月17日ベラルーシ生まれの43歳(2019年8月時点)になる今も現役で活躍し続けている彼の実力は折り紙つき(8月現在世界ランキング19位)。2016年に行われたリオ五輪で水谷隼と熱戦を演じ4位に入賞したことは、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。
またサムソノフ選手は実力だけでなく人柄も良く、ファンサービスも丁寧で、人望も厚いとこで知られています。
まさにレジェンドと呼ぶにふさわしい人物です。
今回は、そんなサムソノフ選手に「自身の用具に対する考え方、使い方」についてスペシャルインタビューを敢行。
日常的な使い方や取り入れ方、戦い方などについてもご紹介します。

(インタビュアー:某雑誌編集長K氏)

K
いま使っているブレードは何ですか?
S
これはFortino Pro(フォーティノ プロ)という新しいブレードです。
インナーにDyneema(ダイニーマ)という新素材の特殊繊維を採用しています。
Dyneemaは卓球業界ではTIBHARが唯一独占供給契約を受けている素材で、一般のカーボン使用ブレードよりも高い強度を実現しています。
その一方でスウィートスポットが大変広く、使いやすさとの両立も実現しています。
K
ブレードは頻繁に交換するんですか?
S
そうですね、常に新しいものを試すようにはしています。
卓球はレギュレーションの変更やプレースタイルの変化が頻繁で、例えばセルロイドボールからプラスチックボールへの変化はそれに対するプレーの対応力を強く求められました。
用具についても同じです。
いまこの新しいFortino Proを使っていますが、これはとてもいいですよ!
まずスピードが出る。そしてボールの軌道が高い。そのうえでとてもコントロールしやすいんです。
自分のプレースタイルにフィットしていると感じます。
K
なるほど確かに。ラバーはどうでしょうか?
S
私は長年MX-P(フォア)とMX-S(バック)を使っています。今はフォアに新製品のMX-P50°という、よりハードなタイプに変えました。
MX-P50°の方がハードで、MX-Sはそれと比較するとソフトですが、どちらもスピードが速く、スピンが良くかかり、そしてコントロールしやすいラバーですよ。その意味ではある意味オールラウンドラバーと言えますね。
プラスチックボールへの対応でも大変効果を発してくれました。
私は長い間TIBHARと契約を結んでいますが、TIBHARにはヨーロッパトップブランドだけあって常に新しく、バラエティに富んだラバーがたくさんありますから、自分にとって一番ピッタリくるラバーをいつでも選ぶことができる事が、選手として活動を行う上でとても大きいサポートだと感じています。
K
通常どれくらいの頻度でラバーを替えているのでしょうか?練習や試合など。
S
そうですね・・・、大会にもよりますけれど、例えばヨーロッパ選手権などではラケットを2本は用意して大会に臨みます。
大会の最中にラバーを替えるのは本来あまり好きでは無いので、ラバーの状態が良くないなと感じた時にもう1本のラケットに切り替えます。
K
ラバーがどういう状態になると替えるんですか?あるいは週に1回とか期間?
S
いえ、まず見た目ですね。状態が悪くなったように見えたら替えます。ただ、さっき言ったようにあまり頻繁に替えるのは好きではないんです。
それから練習の時は結構長く同じラバーを使いますよ。このラバーは長持ちしますので。
K
ブレードは従来の5枚層から7枚層の新素材(Dyneema)入りのFORTINOに替えたそうですが、ブレードを替えるとか選ぶ時の基準ってどこに置いているのでしょう?
S
もし覚えていらっしゃればですが・・、例えばRIOオリンピックの前に私はカーボン入りブレードに変えました。しかし、オリンピックの1ヶ月前にちょっとソフトなブレードに戻しました。練習を続けていて違和感を感じたからです。そしてブレードを替えたことによってフィーリングを取り戻しました。
K
そうでしたね!そんなオリンピックのような大舞台の直前のタイミングで用具を取り換えることに対してナーバスになったりしないのでしょうか?
S
それはそうですが、まあ、いずれにしたって用具はいずれ変えるものですし(笑)
K
じゃあサムソノフ選手はそんなに気にしないんですね。用具に合わせていけるというのも上手な証ですね?(笑)
S
いえいえ。例えば90年代、いろんなボールが混在していたころ、私を含む多くのプレイヤーがブレードの選択に試行錯誤していたと思います。それこそ同時に2本も3本も使い分けて。
当時は私も4本持っていたりしました。ですが今はそのどのブレードを使ってもうまくプレーできます。
私にとって、それぞれの違いは大差がないように変わっていったのです。
自分のテクニックの変化もあるでしょうが、今日ではブレードの品質もとても高くなり、どれを使っても悪いものはありません。ですのでブレードをちょっと違うものに変えることに対して私はあまり抵抗を感じないですね。
K
トッププレーヤーに話を聞くと、それぞれ得意な技をもっていると思います。フォアハンドのトップスピンとか、バックハンドのトップスピン、ブロック、サービス・・。
あなたがブレードとラバーを選ぶとき、どの技に一番有効かを考えて選んでいるのでしょうか?
S
基本的にはすべてです。バランスよく。
ただしもちろんそれぞれのラバーには特性があるわけで、例えばカットマンと対戦するときはソフトなラバーやブレードの方が有効ですよね。
一方で、攻撃的な打ち合いをする時は強くてスピードのあるボールが打てるハードなラバーやブレードが有効です。
また、ダブルスの時はシングル戦にくらべて前陣でプレーすることが多くなり、よりコントロール性の高いラバーが有効です。
私自身を振り返ってみても、数年前の世界選手権で最初の試合に勝った次の試合がカットマンとの対戦で、その試合の時はブレードを変えたりしました。
試合前にこの相手ならソフトで軌道の高いボールが打てた方が有効と判断したからです。
やみくもに用具を変えることを決して推奨はしませんが、もし自分自身の声が「変えた方が良い」と言うのであれば、その声に従うのも選択肢で良いと思います。
用具を変えることが新たなモチベーションに繋がることもありますしね。
K
きめ細かく考えているんですね。あなたの様なレジェンドでもそういう事があるのですか!?
S
もちろんありますよ。これを使えばもっと上手くなるんじゃないかって練習に励んだりね(笑)
いまは優れた用具がたくさんありますから、使っている用具に100%の自信がもてなくて、何かを変えたいという思いがあったとしたら・・・そしてこちらの方がきっと良いと信じられるものがあったら、新しいものをどんどん試してみたら良いと思います。
幸いな事にTIBHARにはそんな用具がいろいろたくさん揃っていますよ!
K
水谷選手と話していると、試合に負けた理由としてラバーやラケットをあげることが結構あります。トッププレーヤーにはよく見られるケースだと思いますが、あなたの場合はどうですか?
S
うーん、そういうことは無いですね。あくまで自分の問題だと思っています。
K
あなたにとって、もし手に入れられるとしたら夢のラケットってなんですか?
S
私はいま使っているギア(MX-P50°・MX-S・Fortino Pro)に満足していますよ!
すべては用具ではなく私自身の問題です。
自分がどんなラバーやブレードを使いたいと思っているかは自分でよくわかっていて、それを実際いま使っています。
でもどんな用具を使っても、結局は自分自身が良いプレイヤーでなければ結果は出せないんです。
自分自身がよくなかったら、用具だけ変えても決して良くはならないと思います。
K
なるほど、よくわかりました。どうもありがとうございました。これからも活躍を期待しています。
S
ありがとう!

日本でのプロモーションのため、試合の合間を縫って来日してくれたサムソノフ選手。
到着直後から動画や雑誌の撮影など休む間もなく予定が進みましたが、長旅の疲れも少しも見せず終始真摯に対応してくれた姿に、スポーツマンの完成形を見た気がしました。
用具についても「どんどん取り込んでいく」というイメージは、来年の東京オリンピックを目指して更なる高みへ向かおうという強い決意を感じました。
卓球界のレジェンド、サムソノフ選手。44歳で迎える2020東京オリンピックでどんな活躍をしてくれるのか、期待しています!
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